量子コンピュータ
量子コンピュータ (りょうしコンピュータ、英: quantum computer)(量子計算機) は、重ね合わせや量子もつれと言った量子力学的な現象を用いて従来のコンピュータでは現実的な時間や規模で解けなかった問題を解くことが期待されるコンピュータ。「量子ゲート」を用いて量子計算を行う原理のものについて研究がさかんであるが、他の方式についても研究・開発は行われている。
いわゆる電子式など従来の一般的なコンピュータ(以下「古典コンピュータ」)の素子は、情報について、「0か1」などなんらかの2値をあらわすいずれかの状態しか持ち得ない「ビット」で扱う。量子コンピュータは「量子ビット」 (英: qubit; quantum bit、キュービット) により、重ね合わせ状態によって情報を扱う。
n量子ビットがあれば2 n {displaystyle 2^{n}}の状態を同時に計算し、2 n {displaystyle 2^{n}}個の重ね合わされた結果を得る事が出来る。しかし、重ね合わされた結果を観測してもランダムに選ばれた結果が1つ得られるだけで、古典コンピュータに対する高速性は得られない。高速性を得るには欲しい答えを高確率で求める工夫を施した量子コンピュータ専用のアルゴリズムが必須である。もし、数千qubitのハードウェアが実現した場合、この量子ビットを複数利用して、量子コンピュータは古典コンピュータでは実現し得ない規模の並列コンピューティングが実現すると言われている。
量子コンピュータの能力については、計算理論上の議論と、実際に実現されつつある現実の機械についての議論がある。