ラッチアップ
latchup
トランジスタがオフになっても電流が流れ続ける状態の事。トランジスタ飽和(入力電圧を上げていっても、出力電圧がほとんど変化しない状態)からカットオフに切り換わっても、回路のコレクタ電圧が供給電圧に復帰せず、コレクタ特性のアバランシェ領域に安定点をもつ。ラッチアップは多くのICに見られる4 層pnpn 構造で発生する。とくにCMOS 回路は構造的に寄生npn/pnpバイポーラ(寄生サイリスタ)ができやすい。外来パルス雑音がトリガとなって、このサイリスタがオン状態となり、電源からグランド(接地)に大電流が流れて回路が動作しないどころか、最悪の場合は内部配線の溶断、素子の破壊などを引き起こす。正常な使い方をしていれば、ラッチアップは発生しないが、電源の立ち上げ手順を間違えたり、急峻な高電圧ノイズが端子に入った場合に発生する。