コアロス(コア損失)
トランスなどのコア(磁心)に磁界を加えたとき、その一部が熱として外部に放出されてしまう損失。コアが鉄心の場合は鉄損といいます。コアロスとしては、渦(うず)電流損失、ヒステリシス損失などがあり、加える磁界の周波数が高くなるほど大きくなります。とくに、渦電流損失は、コア材料の電気抵抗が小さいほど増加します。このため鉄系のコア材(軟鉄やケイ素鋼など)は低周波領域でしか使えず、高周波領域ではフェライトが不可欠となります。MnZn(マンガン・ジンク)系フェライトよりもNiZn(ニッケル・ジンク)系フェライトのほうが電気抵抗が高く、より高周波領域で使われます。トランスにおいては、コアロスと巻線の抵抗による銅損の合計が全体の損失となります。