FPC(フレキシブル基板)とは
フレキシブル基板、略称FPC(Flexible Printed Circuits)は、プリント基板の一種です。柔軟性があり、弱い力で繰り返し変形させることが可能であり、変形した場合にもその電気的特性を維持する特性をもちます。
FPCの歴史は1960年代にアメリカで航空、宇宙産業用に軽くて、信頼性の高いプリント配線板として開発されたのが初めてと言われています。
その後、民生品を中心に商品化が進められ、IC産業の発展にともなって、70年代から各種民生機器(カメラ・電卓)に組み込まれ、広く普及していきました。
液晶部分への接続用、折り畳み構造のヒンジ部接続用などに採用されておりましたが、最近では、薄くて軽いという特徴を生かして、高密度実装が必要なスマホやウェアラブル製品などに使われています。
FPCへの部品実装は、カメラのエレクトロニクス化に伴い、ICを中心に各種の表面実装部品の開発が進み、80年代に表面部品実装(SMT)が拡大したと言われています。
それ以前からフレキシブル基板には部品は実装されておりましたが、その当時の実装部品はほとんどがDIP部品で、薄くて軽いフレキシブル基板の特徴を引き出せる状態ではありませんでした。
電子部品の小型化があったからこそフレキシブル基板の薄さ、軽さ、柔軟さを生かすことが可能となりました。
現在ではカメラやスマホはもちろん、ロボット・産業機器の駆動部やノートパソコンの開閉部、プリンターの可動部、VR・AR機器、ウェアラブル機器など繰り返し動くもの、薄く小さくなる必要があるものなど様々な製品に使われています。
LEDテープライトなどは私たちの生活中でも見られるFPCの事例として一般的ではないでしょうか。
*フレキシブル基板の生産数については経済産業省の統計資料にて確認できます。
統計表一覧(経済産業省生産動態統計)|経済産業省生産動態統計|経済産業省 (meti.go.jp)
FPCの特徴
弊社ではFPC用検査治具を製作販売しております。
接触子は板バネピンを採用しており、内部の配線取り回しに工夫を凝らすことで、下接点・上接点どちらにも対応可能です。
現在下記のピッチ・最大極数まで対応可能です。
*詳細はお問い合わせ下さい。
ピッチ | 極数 |
0.2(千鳥) | ~71 |
0.25(千鳥) | ~63 |
0.3 | ~81 |
0.5 | ~80 |
1.0 | ~80 |
弊社治具の特徴としてはコンタクトピンの接圧を管理する事で、測定物に検査痕を極力残さない様にしております。
モジュールメーカー様には出荷時の外観検査での不良発生率や、検査痕部の除去などの工数を減らすことが出来たと好評頂いています。
FPCの構造
FPCは銅箔に接着剤でポリイミドフィルムを張り付けた構造をしています。
銅箔が1層のものを「片面構造」、2層のものを「両面構造」、多層(3層以上)のものを「リジッドフレックス構造」「多層フレキシブル基板構造」といいます。
片面構造
片面構造は銅箔が1層なので、薄くて柔らかいというフレキシブル基板の特徴が最も発揮できる構造になります。
狭い箇所や、折り曲げ、可動部での使用には片面構造が適しています。
両面構造
両面構造は銅箔が表裏にあり、理論上片面構造の半分の面積まで小型化が可能です。厚みは増えるので、耐屈曲性は低下しますが、回路の自由度が高くなるので、高密度化が必要な場合に適しています。
多層構造
多層構造は銅箔を3層以上使用している「多層フレキシブル基板構造」とフレキシブル基板とガラスエポキシなどの硬いリジッド基板を合わせている「リジッドフレックス構造」があります。
多層構造は立体配線が可能となり、部品の実装効率が大幅に高まります。
リジッドフレックス構造は強度が必要な箇所ではリジット基板を合わせ、可動部にはフレキシブル基板のみとする事で、用途に合わせた開発をする事が出来きます。
FPCの用途
ディスプレイ点灯検査(液晶、LED、OLED)、ウェアラブル製品通電試験、モジュール組立出荷前検査
製品実績
カバー・ガイド切削でのカスタム対応
液晶ディスプレイ点灯検査
モジュール導通検査
少数コネクタ用治具
基板付き治具
2個同測治具